夏の減量から秋のバルクアップへ|切り替えのベストタイミングと失敗しない増量のやり方

夏が終わり、薄着の季節が過ぎました。
「もう体を絞る理由がなくなったし、そろそろ好きなものを食べてもいいかな」
そう考えている人、ちょっと待ってください。その考え方自体は間違っていません。秋は確かに体を大きくするのに最適な季節です。
ただし、「好きなだけ食べる」と「増量する」はまったく別の話です。
ここを勘違いすると、春に鏡の前で後悔することになります。実際、毎年この時期に増量を始めて、年明けに「思ったより脂肪だけ増えた」と相談に来られる方は少なくありません。
この記事では、ボディビルの現場で増量と減量を繰り返してきた経験と、7年間トレーナーとして見てきたことをもとに、秋のバルクアップの正しい始め方をお伝えします。
そもそもバルクアップとは何か

まず言葉の整理から。
バルクアップとは、筋肉量を増やすことを目的に、意図的に体重を増やしていく期間のことです。「増量期」とも呼ばれます。
なぜこんな期間が必要なのか。理由はシンプルで、筋肉は摂取エネルギーが足りている状態でないと、増えにくいからです。
減量中は摂取エネルギーを抑えるため、体は「今あるものを守る」モードに入ります。この状態で筋肉を大きく増やすのは、かなり難しい。だから多くのトレーニーは、増やす時期と絞る時期を分けています。
夏に絞って、秋冬で大きくして、また春から絞る。この繰り返しで、少しずつ土台を積み上げていくわけです。
なぜ秋が増量に向いているのか
秋から冬にかけての時期が増量に適している理由は3つあります。
1. 薄着になる予定がない
増量期は多少なりとも体脂肪も増えます。見た目が気になりにくい季節のほうが、精神的に続けやすい。
2. 食欲が戻る
夏バテで落ちていた食欲が回復します。増量では「食べること」自体が課題になるので、これは大きな追い風です。
3. 春までの期間が確保できる
9月に始めれば、春先まで5〜6ヶ月。筋肉が意味のある量まで増えるには、これくらいの期間が必要です。
逆に言うと、中途半端に1〜2ヶ月だけやるのは効率が悪いということでもあります。始めるなら、ある程度腰を据えて取り組む前提で考えてください。
切り替えるベストタイミング
「いつから増量に切り替えるか」の判断基準です。
体脂肪率で判断する
一般的な目安として、増量を始めるなら男性で体脂肪率15%前後まで、女性で25%前後までが一つのラインです。
これより体脂肪が多い状態で増量を始めると、増えた分がさらに脂肪に偏りやすく、春の減量がかなりつらくなります。体脂肪が多めの自覚がある方は、まず少し絞ってから増量に入るほうが、結果的に近道です。
体脂肪率を把握するには体組成計が要るので、持っていない方はこの機会に用意しておくと判断しやすくなります。
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気持ちの切り替えも必要
意外と大事なのが、メンタル面です。
夏の間ずっと減量していた人は、体重が増えることへの抵抗感が残っています。この状態のまま増量に入ると、体重計の数字が増えるたびに不安になり、中途半端に食事を減らしてしまう。結果、増えも絞れもしない時期を過ごすことになります。
増量期は、体重が増えるのが正解です。ここは頭を切り替えて始めてください。
失敗しない増量の3原則
原則①|カロリーは「少しだけ」上乗せする
最大の失敗は、一気に食べる量を増やすことです。
いわゆる「ダーティバルク」と呼ばれる、食べられるだけ食べる方法もありますが、初心者にはおすすめしません。増えた分のほとんどが脂肪になり、春の減量で全部落とすことになるからです。
目安としては、これまでの食事に1日あたり200〜300kcal程度を上乗せするところから始めてください。おにぎり1個、ごはん茶碗1杯強くらいのイメージです。
物足りなく感じるかもしれませんが、これでも1ヶ月で体重は1kg前後増えます。それで十分です。急激に増やしても、筋肉が増えるスピードには限界があります。
体重の増え方は、月に体重の1〜2%程度を目安に。これより速いなら食べすぎ、まったく増えないなら足りていない、と判断できます。
原則②|タンパク質と炭水化物を意識する
増量期に増やすべきは、主に炭水化物です。
タンパク質が筋肉の材料であることはよく知られていますが、その材料を実際に組み立てるためのエネルギー源が炭水化物です。ここが不足していると、せっかく摂ったタンパク質がエネルギーとして使われてしまいます。
「増量なのに脂質から増やす」人が多いのですが、これは効率が悪い。脂質は少量でカロリーが高く、増やしやすい反面、体脂肪にも直結しやすいためです。
お米をしっかり食べることの意味については、既存の記事でも詳しく書いています。
> [内部リンク:「「お米は太る」はもったいない!増量にも減量にも白米が最強な5つの理由」記事へ]
タンパク質については、食事だけで必要量を確保しようとすると、量的にかなり大変です。プロテインを併用すると現実的になります。個人的には吸収効率の良いエッグプロテインがおすすめです!
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どうしても食が細くて食事量を増やせない人は、マルトデキストリンなどの粉末の糖質を使うと、負担なくカロリーを足せます。トレーニング中のドリンクに混ぜるだけなので、胃への負担も少なめです。私も食べれないタイプなのですがこれは安いですし、かなりおすすめです!
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原則③|トレーニングは「重量を伸ばす」ことに集中する
ここが最も重要で、そして最も見落とされています。
食べる量を増やしただけでは、脂肪が増えるだけです。増えたエネルギーを筋肉に向かわせるには、「筋肉が必要だ」と体に思わせる刺激、つまりトレーニングが要ります。
増量期のトレーニングで意識すべきは、扱う重量を少しずつ伸ばしていくことです。
– 先月10kgで10回だったものを、今月は12kgで10回に
– 同じ重量なら、回数を1回でも増やす
この積み重ねが、増えたエネルギーを筋肉に変えていきます。逆に、毎回同じ重量で同じ回数をこなしているだけだと、食べた分は脂肪に回ります。
そのためにも、記録をつけることを強くおすすめします。スマホのメモでも構いません。前回の重量と回数が分かるだけで、伸ばす意識が全然変わります。
なお、背中の種目は握力が先に限界を迎えて重量を伸ばしづらいので、パワーグリップがあると効率が上がります。
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よくある失敗3つ
1. 有酸素運動を完全にやめてしまう
「増量中はカロリーを消費したくないから」と有酸素を全部やめる人がいますが、これはもったいないです。
心肺機能が落ちると、筋トレのセット間の回復が遅くなったり、トレーニング中の特に高回数のトレーニングなどでバテやすくなり、トレーニングの質そのものが下がります。週1回、20分程度は残しておくと、体脂肪の増えすぎも抑えられて一石二鳥です。
その中でも一番のおすすめはHIITというインターバルトレーニングです。
本来であればダイエット向きのエクササイズですが、かなり筋持久力が鍛えられ、トレーニングの粘りが強くなります。食べても脂肪になりにくい体になります。
HIITについてはこちらの記事で詳しく書いているのでよければ見てみてください
2. 毎日体重計に乗って一喜一憂する
体重は水分で1〜2kg簡単に動きます。増量期は特に、炭水化物を増やすことで水分も一緒に増えるため、数字が跳ねやすい。
週1回、同じ条件で測るのが適切です。1回の数字ではなく、1ヶ月の傾向で判断してください。
3. だらだら続けて出口を決めない
増量期は快適です。食べられるし、重量も伸びるし、楽しい。だからこそ、終わりを決めずに始めると春に困ります。
始める段階で「3月から減量に入る」など、出口をカレンダーに書いておいてください。
いつまで続けるか
一般的には、秋から春先までの4〜6ヶ月が一区切りです。
判断基準としては、以下のいずれかに当てはまったら、減量に切り替えるタイミングと考えていいと思います。
– 体脂肪率が、増量開始時から5〜7ポイント程度増えた
– 鏡で見て、明らかに輪郭がぼやけてきた
– 重量が伸びなくなり、体重だけが増えるようになった
特に3つ目は重要なサインです。重量が伸びていない状態での体重増加は、脂肪が増えているだけの可能性が高い。
減量に切り替える際は、先ほどの記事の内容がそのまま使えます。
> [内部リンク:「ダイエットには筋トレとHIITがおすすめ|自宅で完結させる最低限のフリーウェイト器具」記事へ]
まとめ|秋の過ごし方が、来年の夏を決める
– バルクアップは「好きなだけ食べる」ことではない
– 体脂肪率が高すぎる状態で始めない(男性15%、女性25%前後が目安)
– カロリーは1日200〜300kcal程度の上乗せから
– 増やすのは主に炭水化物。タンパク質はプロテインで補う
– 重量を伸ばすことが、増えた分を筋肉に変える条件
– 出口(減量開始時期)を先に決めておく
増量期は、成果が見えにくく地味な時期です。鏡を見ても、絞れている時期ほどの達成感はありません。
ただ、来年の夏に「絞ったときに残っているもの」を作れるのは、この時期だけです。夏に格好よく見える体は、秋冬の積み重ねでしか作れません。
今日の食事から、ごはんを一口分だけ増やすところから始めてみてください。
最後にお食事に関して、増量の人でも気をつけていただきたい食材が書いてある記事がありますのでチェックしてみてください!
「【初心者向け】頑張らない食事管理最低限ガイド」

