トレーニングギア完全ガイド|買う順番と選び方をトレーナーが解説
ジムに通い始めて少し経つと、こんな疑問が出てきます。
「周りの人がつけてるあのベルト、自分も必要なのかな」
「グローブとかグリップとか、種類が多すぎて分からない」
フィットネス業界で7年間、現場で見てきて感じるのは、ギアを買うタイミングを間違えている人が本当に多いということです。必要なものを後回しにして、まだ要らないものから買ってしまう。
この記事では、何を・どの順番で買えばいいのかを、優先順位をつけて整理します。結論から言うと、買う順番はこうです。
1. トレーニングシューズ
2. パワーグリップ(または リストストラップ)
3. トレーニングベルト
4. リストラップ・グローブ(必要に応じて)
なぜこの順番なのか、ひとつずつ説明していきます。
大前提|ギアは「ズル」ではない
まず、よくある誤解を解いておきます。
「初心者がギアを使うのは甘えでは」「素手で鍛えたほうが強くなるのでは」
そう考える方が一定数いますが、これは場合によります。
ギアの役割は、鍛えたい筋肉以外の要素を取り除くことにあります。握力が先に限界を迎えて背中を追い込めない、腰が不安で脚を追い込めない。こうした「本題以外のボトルネック」を外すのがギアです。
むしろ、フォームが固まっていない初心者ほど、怪我のリスクを下げる意味でギアの価値は大きいと考えています。しかし、ギアに頼りすぎるとフォームに癖ができてしまい、成長が頭打ちになったり、自力で握って自力で体幹を固めるのが疎かになり、怪我の原因にもなります。
練習でギアなしで、ここぞという高重量のトレーニングでは装着するなど、目的に合わせて使い分けるのがいいです。
①トレーニングシューズ|最優先で買うべき1つ
最初に買うべきは、間違いなくシューズです。
なぜ最優先なのか
ランニングシューズで筋トレをしている人をよく見かけますが、これは勧められません。
ランニングシューズは着地の衝撃を吸収するため、ソールが柔らかく作られています。この柔らかさが、スクワットやデッドリフトでは邪魔になります。床を踏み込んだ力がソールに吸収され、力が逃げてしまうからです。
さらに、不安定な足元はフォームの崩れにつながります。土台が安定しないと、その上で何をしても安定しません。対象筋にも効きにくくなります
選び方
見るべきは1点、ソールが平らで硬いことです。
– 厚みのあるクッションソールは避ける
– かかとが極端に高くなっていないもの
– 足幅が合っていること(締め付けすぎると踏ん張れません)
専用のトレーニングシューズでなくても、底が平らなスニーカーであれば十分機能します。予算を抑えたい方は、まずそこから始めても構いません。
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②握力補助|背中を鍛えるなら必須
2番目は、握力をサポートするギアです。
なぜ必要なのか
デッドリフト、懸垂、ラットプルダウンといった「引く種目」では、背中が疲れる前に握力が限界を迎えます。
これが何を意味するか。背中を鍛えているつもりで、実際には前腕のトレーニングになっている、ということです。狙った筋肉を追い込めていないので、当然ながら成長も遅くなります。
握力という余計な要素を取り除くと、純粋に背中の収縮に集中できます。初心者にとっては、フォーム習得と「背中に効かせる感覚」を掴むうえでも有効です。
とは言ったものの私はしばらくノーギアの素手でトレーニングしています。
ある程度フォームが固まり効かせ方が分かってくると、握ることの重要性に気づきます。
使いすぎて握らなくならないように気をつけましょう!
リストストラップとパワーグリップ、どちらを選ぶか
握力補助のギアには、大きく2種類あります。
リストストラップは、紐状のベルトをバーに巻きつけて使うタイプです。価格は1,000〜2,000円程度(メーカーによる)と手頃で、固定力は非常に強い。プロのトレーニーでもパワーグリップよりこちらを好む人がいるほどです。
私はホームセンターで作業着用のベルトを購入し、ストラップに改造して使っています。(800円ほど※画像有り)

パワーグリップは、手首に巻くリストバンド部分とバーに掛ける「ベロ」が一体になったタイプ。着脱が圧倒的に速いのが利点です。セット間にさっと着けられるので、テンポよくトレーニングできます。

価格は製品によって幅があり、数千円のものから、定番ブランドのプロ向けモデルでは1万円を超えるものまであります。(メーカーによる)リストストラップとは数千円違う場合もある、と考えておいてください。
私のおすすめは「まずパワーグリップ」
最初はパワーグリップから試すことを勧めています。
理由は単純で、セッティングが楽だからです。握力補助というものがどれだけありがたいかを分かりやすく体験できます。そのうえで「しっかりと握り込みたい」「手の密着感を強めたい」と感じたら、リストストラップに移行すればいいです。
逆に、いきなり高価なパワーグリップを買って「巻き方が合わない」となると、損失が大きいので。安いものから段階を踏むほうが安全です。
最近は安くても質の高いものが出てきました。
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③トレーニングベルト|初心者にこそ勧めたい
3番目はベルトです。「上級者がつけるもの」というイメージが強いですが、現場の実感としては逆で、初心者にこそ使ってほしい道具です。
ベルトの本当の役割
ベルトは「腰を締めつけて固定する道具」ではありません。正確には、腹圧を高めやすくするための道具です。
お腹の内側から圧をかけ、体幹を固める。この腹圧が高いほど体幹が安定し、背骨への負担が減り、扱える重量も上がります。
ここで重要な注意点があります。ベルトは巻いただけでは意味がありません。ベルトに向かってお腹を膨らませ、自分で腹圧を高めて初めて機能します。順序を間違えないでください。
なぜ初心者にこそ必要か
トレーニングを始めて間もない頃は、そもそも腹圧の入れ方が分かりません。
その状態でスクワットやデッドリフトの重量を上げていくと、腰を痛めるリスクが高まります。せっかく始めたのに怪我で中断、というのが最ももったいない。
ベルトがあると、「ここに圧をかけるんだ」という感覚を物理的に掴みやすくなります。腹圧の入れ方を体で覚えるための教材としても機能するわけです。
選び方
– 幅:一般的なトレーニングなら10cm前後。幅が広すぎると、あばら骨や骨盤に当たって痛む人もいます
– 厚み:厚いほど腹圧をかけやすいが、その分硬い。初心者は中程度で十分
– 留め具:ピンタイプが標準的で扱いやすい。レバー式は着脱が速い反面、サイズ調整に手間がかかりますし、比較的高価です。
– 素材:ナイロン製は安価で柔らかいが、強く腹圧をかけると膨らんで逃げる感覚があります。本格的に重量を伸ばすなら革製がおすすめ。
まず1本目なら、中程度の厚みのピンタイプが無難です。
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④リストラップ|押す種目の手首を守る
ここからは「必要に応じて」の領域です。

リストラップは、手首に巻いて関節を安定させるギアです。握力補助のストラップとは役割がまったく違うので、混同しないでください。
– リストストラップ/パワーグリップ → 引く種目(背中)で握力を補助する
– リストラップ→ 押す種目(胸・肩)で手首を保護する
ベンチプレスやショルダープレスで手首が反ってしまう、痛みが出る。そういう人に向いています。逆に、背中の種目でリストラップを使う場面はほぼありません。
胸や肩のトレーニングで重量が伸びてきて、手首に不安を感じ始めたら購入を検討してください。
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⑤トレーニンググローブ|必須ではないが快適
グローブは必須ではありません。ただし、手のひらの保護という点では有効です。
– マメができにくくなる
– 滑り止めになる
– 器具を直接触りたくない人の抵抗感が減る
一方でデメリットもあります。グローブの厚みの分だけバーが太く感じられるため、ダイレクトな握り心地を好む人には合いません。
手のひらのマメが気になる方、器具の衛生面が気になる方は検討する価値があります。
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買う順番のまとめ
改めて整理します。
| 順番 | ギア | 買うタイミング |
| 1 | トレーニングシューズ | 通い始める前。最優先 |
| 2 | パワーグリップ | 背中の種目を始めたら |
| 3 | トレーニングベルト | スクワット・デッドリフトを始めたら |
| 4 | リストストラップ | 握る感覚や密着感を変えたかったら |
| 5 | リストラップ | 押す種目で手首に不安が出たら |
| 6 | グローブ | マメや衛生面が気になるなら |
1と2だけなら、合わせて1万円以下で揃います。ジムの月会費1〜2ヶ月分と考えれば、投資対効果はかなり良いはずです。
現場でよく見る失敗3つ
1. ベルトを巻いただけで満足している
前述の通り、ベルトは腹圧を高めて初めて機能します。巻いただけでは、ただのファッションです。
2. 全部いっぺんに買い揃える
やる気があるのは良いことですが、使わないギアが増えるだけになりがちです。必要性を感じた順に買うほうが、結果的に自分に合ったものが揃います。
3. ギアに頼りすぎてフォームを見直さない
ギアは弱点を補いますが、間違ったフォームを正してはくれません。腰が痛いからベルトを巻く、ではなく、まずフォームを疑ってください。それでも不安が残る場面で使うのがギアです。
まとめ|順番を間違えなければ失敗しない
– ギアは甘えではなく、鍛えたい部位以外のボトルネックを外す道具
– 最優先はシューズ。土台が安定しなければ何も安定しない
– 次に握力補助。まずは使いやすいパワーグリップから
– ベルトは初心者にこそ。ただし腹圧を高めて初めて機能する
– リストラップとグローブは、必要性を感じてからで十分
道具を揃えることは、続けるための仕組みづくりでもあります。買ったものを無駄にしたくない、という心理は、地味ですが継続の助けになります。
まずはシューズから。それだけで、次のトレーニングの安定感が変わります。
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